04. もう一つの「鯖街道」◆紀伊半島にもあった「鯖街道」上方で食べられていたすしの一つに「鯖ずし」があります。特に有名なのは、京のそれ。若狭(福井)の塩を施された鯖が京まで運ばれた「鯖街道」があったからであるのは、よく知られています。ですが実は、紀伊半島にもう一つの「鯖街道」があったのをご存じでしょうか。紀伊半島沖の熊野灘で獲られた鯖を行商人が北に向かって売り歩いたのです。その起源は定かでありませんが、一説には「江戸中期に紀州の殿様が熊野の漁師に重い年貢を課したことから、漁師はそのお金をひねり出すために、夏サバを塩で締め、吉野川筋の村に売りに出掛けた」(『大和の食文化』、奈良新聞社、2005年)とも言われています。そのルートはいくつか考えられますが、一つに東...04Apr2019お寿司のルーツ